藻類・植物の葉緑体は、もともと他の生物を食べて生きていた生物（従属栄養性生物）が光合成をして生きる生物を細胞内に取り込み、やがては1つの生物として統合するという「細胞内共生」という現象に由来するオルガネラです。この細胞内共生による葉緑体の獲得は、真核生物のあらゆる系統で生じたと考えられており、葉緑体をもたない生物を「藻類化」する進化の強力な原動力です。
2つの生物が1つの生物になったことで誕生した藻類ですが、その細胞内共生の進化プロセスにはたくさんの謎が残されています。本研究室では、まさに今、藻類化する途中であるかのような現象を見せる「盗葉緑体現象」を示す生物を対象として、藻類ではない生物を藻類化した強力な進化に隠された謎を解き明かすことを目指しています。
研究対象の微細藻類
